産後うつの彼女 その5

マタ二ティクラスで出会った生徒さんから度々
生まれました メールをいただきます。
このしごとを続けてきて本当によかった 
と感じる瞬間です。

でも待てよ、暇なのはわかるけど、
大仕事を終えてハイテンショーン! なのもわかるけど、
携帯なんか握ってないでちゃんと養生しろよな
なーんて余計な心配もしてしまうのですが。

先日は朱美さん(仮名)から 生まれました 
メイルをいただきました。

彼女はからだに不調があり、結婚後もしばらく
赤ちゃんを授かることができませんでした。

待ちに待った赤ちゃん。
普段から自然食を摂り、ジムへも通い、
だんなさまとも仲睦まじく、
お仕事もクリエイティヴにこなす。
わたしには彼女がとても眩しく見えました。

先生、持病があってリスクが高いので、
予定帝王切開になるかもしれません。
産後は主人以外に身寄りがないので、
助産院へ産褥入院することにします。

その後どうしているかしら。
そう思っていたら、彼女からこんなメイルが。

産褥期から酷いうつになりました。
わたしはいったいどうしたらよいのでしょう。

赤ちゃんが生まれてからすでに3ヶ月が経っていました。
電話の向こうの彼女は、

最近やっと少し笑えるようになったんです。
思えば誰かに電話する気力も余裕もない日々でした。

うつの自覚は、すでに入院中からありました。
予定帝王切開を終え、母乳が出るようにがんばろう・・・
その辺りから徐々に不眠が始まり、のぼせの症状が
出てきました。

彼女のうつは、まるでジェットコースターのように
急降下で始まりました。
しかし、自身の自覚と家族の対応が比較的早かったのが
幸いだったと思います。

しかし、セラピストでも医療者でもない自分が、
うつをきっかけに里帰りしている彼女にできること
などほとんどないのが実情で、ただただ話を聞くより
他にありません。

そんなとき、そのひとの家族関係や生い立ちにも
触れることになります。

ときどき、

うつになり易いひとの傾向はありますか?

と尋ねられることがあります。

産褥期のうつを防ぐにはどうしたらよいのか。
本人の辛さはもちろん、赤ちゃんへのしわ寄せや
ご家族の苦労も相当なものです。

確かに一般的に言われているように、
出産・育児への夢や期待の大きさや、
真面目で几帳面な性格が関係する 
というのは本当かもしれません。

大抵のことは自分で解決できる、しっかりとした、
有能なひとが罹り易い傾向にある 
とは言えるでしょう。

大切なのは 

どんなお産であっても本人が納得できているかどうか。

いのちのことについては、人智ではどうすることも
できないことがあると知ること。

今はただ 辛かった 失敗だった 

と感じているかもしれない。

でも、生きてさえ居れば、
いつかまあるく繋がる日がきっと来る。

ご報告メイルをくださる方のほとんどが 
つるっ ぽん!と生まれました♪ というご安産組。
難産のかたについては、人づてに報告があることが
多いというのが実情です。

安産や母乳育児というテーマを掲げているゆえ
仕方がないとは思うのですが、

どんなお産もあなたの財産なのよ

と声を大にして言っておきたいと思います。

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在東京産婦

三子曰く ぴんくはあかのともだち ですってheart01

推定40名の読者の皆さま(根拠なし)、
どんげでございます。

先日のクラスに、
中国で生まれ育ったEさんが参加してくださいました。

彼女曰く、中国では産後ひと月はお布団のうえで過ごし
髪を洗ってはいけない
 と言われております 
とのこと。

ご出産は地域の病院にて。
さすがに気持ち悪いので入院中にも髪を洗ったそうです。

それから中国では、月経中にアイスクリームなどは
もっての外
で、食べていると彼氏にも取りあげられて
しまいます ですって。
女性のからだの養生の在りかたがしっかりと根づいて
いるのですね。スバラチイ!

お産のあとは髪を洗わない については、
特に野口整体による指導や、アーユルヴェーダ
(古代インドの医療の智慧)でもおなじみのものです。

月経中も同様で、
1日めから3日めはできれば髪を洗わない、
ヘッドマッサージなども避けたほうがよい 
のです。

頭を刺激することで骨盤(子宮)を緊張させて
しまうからね、
美容にも健康にも響くんだからね。
というわけで

月経中はできるだけ ぽわん 

といたしましょう。

う~ん、さすがにあたしは毎日髪を洗っていますが、
月経中はなるべく地肌には触れないように気を使うかな。
たとえばくしを使わないとか、美容室へ行くのは避けるとか
…その程度ではありますが。

でも、こういう智慧ってほとんど浸透していないよね。
もったいないぞ!
ぜひぜひ今月からお試しください。
そして、周りのひとにもお話して差し上げてくださいね。

Eさんとは 地震の話や小説『ワンちゃん』のお話なども
しました。
個体差はあるでしょうが、中国の女性は強い。
恋愛やモテ の優先順位は低いようです。

Eさんは普段からヨガクラスへ通っていて、その際
赤ちゃんは義理のお母さまに預けている とのこと。

母親の健康が大事だから遠慮はしません。

はあ~・・・カッコよすぎ。

余談ですが小説『ワンちゃん』をおすすめします。
あたしは布団につっぷして泣いたよ!
中国と日本の恋愛・仕事・結婚観の違いも興味深い。
惜しくも芥川賞を逃しましたが、物語のちからというものを
思い知らされた作品です。

排卵日前、なんだかひと恋しいお昼前です。

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  …think pink

つけたし)

友人の たあやんさん より つけたし です。

生理中は2日間は髪を洗わずにつげの櫛でやさし~く
とかすといいそうですよ。 あくまでもやさしくね。
ゴシゴシやるとヴァータ乱れますから。

生理中のやってはいけないことのひとつに「爪を切る」
っていうのもあるらしいです。

ヴァータ とは、アーユルヴェーダにおいての
三大エネルギーのひとつで 風 を表します。
(他には ピッタ=火 カパ=水 がある)

ヴァータが乱れると身心の置きどころがない感じ。
頭爆発、地に足がつかず、ハイテンション! …
あたしはよくも悪くもヴァータが強いので
しっかり養生せんとです。

爪 については 髪も爪も血液が表出したもの 
という東洋医学的な見地からでしょう。

月経中も愉しく美しく♪

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自転車妊婦

伴侶が隠しているらしい板チョコをちょっぴり盗み食い。
犯人は ばればれ なので新しいものを買って
補填しておかねば。

なーになに? チョコの包み紙にこんな記述が。

世界中のお母さんを笑顔にする“命を救う足”
再生自転車をガー○ミルクの売り上げの一部から
ガーナ共和国へ寄贈

~途上国では診療所のない村が多数あり、妊娠や出産の際に
移動手段がなく、大変な思いをしているお母さんが沢山います。
(略) 
途上国の人々は贈られた自転車を「命を救う足」と呼び、
大切に使用しています。云々~

ここで疑問が。
ガーナの妊婦さんは、ご自分で自転車をこいで
診療所まで行くのだろうか。
それとも後ろに乗せてもらうのだろうか。

出産の際には、陣痛が始まっているにもかかわらず
自力でこいで行くのだろうか。
それとも取り上げばばあが(わが国には助産師さんがおりますが)
自転車に乗って自宅までやってくるのだろうか。

疑問だ。

ちなみに東京では、
ほとんどの初産婦さんは歩きだが、二子以降は
たいてい自転車に乗っている。

周りのひとはやいやい言うが、自転車は小回りが利き
荷物も載せられ、歩くのがのろい幼児を連れ歩くにも
うってつけなのだ。

ただ、やはり妊娠以前とはバランス感覚が変わって
くるので要注意だ。
骨盤が歪むというのも本当だと思われる。

あたしは三子の妊娠後期、前後に子どもを乗せて走り、
ちいさな段差が乗り越えられず、なんどか倒れたこと
がある。しかし、いい塩梅に転んだので、
母子共に怪我はなかったのは幸いだった。

通常は自転車に子どもを乗せる際は、身体中が
目になり耳になりアンテナを張り巡らせているので、
危ない目に遭ったことはほとんどない。

しかし最近は、携帯電話を使用しながら車や自転車に
乗っているひとが多いので怖くて仕方がない。

追記)友人のめーちゃんからの情報です。

分娩中、何かあって、自宅?助産院?から
病院へ行く手段として、チャリが必要と書いてあったよ。
妊婦さんは後ろにのって、助産師さんが運転するわけ。

とのことです。ありがとう!

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妊娠中のセルフケアクラス 

今月の妊娠中のセルフケアクラス、終了いたしました。
参加してくださった皆さま、お会いできて嬉しかったです。
ありがとうございました。

マタニティのエクササイズというとたいていは
骨盤周辺の動きが主なのですが、このクラスは
母乳育児&美容にも有効な肩甲骨のケアにも
ほぼ半分の時間を割いております。

普段まったく運動などしない貴女が苦痛に感じない動き。
日常にすぐ活かせるからだの使いかたや動き。

自ら動いて緩んだ体感。
ほかのひとに触れて知る自身のからだの在りよう。
触れられて緩んでいく快適さ。

肩甲骨の可動域が小さいと母乳にどう影響するか。
美容的には? 健康の上では?

ババアになるのは止めようもないが
ブスとデブは(止めたければ)自力で止められる
 

等云々
愛がいっぱいの約2時間でした。
貴女にとってハッピィなお産でありますように。

どの生徒さんにもそうですが、特にマタ二ティのかた
に対しては一期一会の場合が多く熱が入ってしまいます。
これを姉心というのでしょうか。

産院や自治体のクラスでは教わらないこと。
たとえば
妊娠中のめくるめく性愛について はもちろん 
産後の身心について そして
子どもが居る暮らしって面白いよ

そんなことをお伝えしてゆくことが、自分にもできる
ささやかな仕事だと思っております。

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サザエさんがふたり

先日、或るひととお昼ご飯をご一緒した。
そのひととは半年余のおつきあいで、
一対一で会うのは初めてだった。

そんな訳で初めて彼女の身の上話を聞いた。
そのひとは自分と同い年で子どもさんがふたりいる。
彼女は子どもの頃からさまざまな苦労を重ねており、
よくもまあ道を逸れずにここまで来たものだね、
とかなり驚いた。奇蹟だと思った。

あたしはといえば5月に四十になるというのに
夢ばかり追っており、実用性は限りなくゼロに近く、
それについては或る意味コンプレックスも持っており、
彼女のようなひとがとても眩しく感じてしまうのであった。

そのひとは言った。

でもね どんげさん
苦労なんてなんの得にもなりませんよ。

彼女は一子を産んでからもほとんど休まず
働いてきた。
現在は二子の出産をきっかけに育児休暇中である。

育児についてはいろいろ思うところがあり、
仕事はしばらく休むつもりだと言った。
わたしもそれがいいと感じた。
子どもたちのために。
なによりも彼女自身のために。

話に夢中になり、あっという間に時間は過ぎていく。
席を立ったとき彼女が言った。

どんげさん、ヨガマットをお忘れですよ。

あたしはそう、このあとヨガセンターへ行く予定
なのであった。

どんげさんも サザエさん?
わたしも職場ではそんなことばっかりしてます。

しっかり者のあなたが? 嘘でしょう。

かえりみち、目を閉じると 小さな虹が見えた。

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産後うつの彼女 その4

写真は花見に行った近所の庭園のお池です。
(写っておりませんが)
池の底にはおたまじゃくしがうじゃうじゃ。
ああプランタン 無理もない♪

本日は、ある産婦さんのことを書いてみましょう。

Aさんは一子を帝王切開で産みました。
そしてふたりめを授かり、今度こそは下から産みたい
との思いで臨みました。

帝王切開後のお産は、原則的にはやはり帝王切開に
なりますが、自然出産に理解のあるお医者さまのもとで
経過が良好であれば、子宮口から産める場合も多々
あります。

しかし、お産当日子宮口は開かず、やはり帝王切開に
なりました。

お産後彼女は、なぜ叶わなかったのだろうという思いに
捕らわれ、家族にもきもちを巧く伝えられず、
苦しくてどうにかなってしまいそうなときに、
私のクラスを見つけてくださったそうです。

Aさんは言いました。

今まで生きてきた中で、たいていのことは
努力すればそれなりの結果がついてきました。
でも、お産については報われませんでした。

お産は、老いを受け容れることによく似ている、
或る意味喪失体験なんだろうな。
望んで授かったちいさな命ではあるけれど、
自分らしい生きかたができなくなるのではないか 
社会から切り離されるのではないか
からだの線が崩れて醜くなると愛されないのではないか

そんな思いを抱え込んでひとり苦しんでいる女性の
なんと多いことか。

お別れの際に、Aさんは言いました。

エクササイズ以前に、自分の話を聞いてもらえたのが
なによりも嬉しかったです。

イントラとしては あれっ? な瞬間だけど、
そうなんだよな。

はじめは肩こりが腰痛がみためがどうのと言っている
彼女たちも、よくよく見ていると(病院へかかるほどでは
ないけれど)軽症のうつの中必死の思いで通ってきて
くださっていたり、話し相手を探しにきているひとの
なんと多いことか。

この思いは、赤ちゃんと一日中ふたりきりでいるひと
にしか解らないかもしれない。
とくに 三食昼寝つきでいいわね とか 
どうせひまなんでしょ 
なんてことを悪気なくいうひとには。

でもね、やはり辛いお産と産後体験のあるMさんは
こんなふうに話してくれました。

お産のことも赤ちゃんのことも、いのちのことに
ついてはままならないことばかりだけれど、
しっかり受容して生きている自分自身が嬉しい。

ひとは、しなやかなひとの哀しみや弱さに触れたときに
美しさを感じてしまうのだろう。
女の友情は、こんなふうにあっちこっちで芽を出すのだ。

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産後うつの彼女 その3

産後うつ症は、いわゆるマタ二ティブルーとは違います。
お産後1ヶ月以降に起こりやすいうつ症状で、
感情をコントロールする脳の神経伝達物質やホルモン、
環境の変化などが関連しているといわれています。

彼女は、赤ちゃんを待ち望んでいました。
そして、やっと授かることができました。

毎週通っていた水泳は止め、マタ二ティヨガのクラスへ
通うことにしました。
開脚などほとんどしたことがなかったため、少々
キツかったけれど、同じ立場のひとたちと和気藹々と
過ごすのはなかなかのものでした。

産み月の検診の際に、胎盤に問題が見つかり、
予定帝王切開になりました。

産後の肥立ちは悪くありませんでしたが、術後の傷が
痛むうえ赤ちゃんが小さめだったため、必死の思いで
過ごしていました。

夜は、以前からちょっとした物音でも起きてしまうこと
が多かったのですが、赤ちゃんが気になって余計に
なかなか眠りに入ることができません。

夫は相変わらず夜中に帰ってきては、パソコンの前に
座っていました。
そして、彼女がやっと寝ついたというのに、
ドアをバタンバタンと開閉するのが気に障りはじめます。

彼女の神経が高ぶると、余計に赤ちゃんはぐずります。
そうして彼女は、日に日に眠れなくなっていったのでした。

夫はいいひとでしたが、ものすごくマイペースで、
彼女が懇願しても自身を変えようとはしない頑固な
ところがありました。

また、彼女のお母さんは、娘思いの優しいひとでは
ありましたが、全体的にあまり要領がよくありません。
なにか困ったことがあると必ず彼女を呼び出したり、
彼女のせいにして八つ当たりしたりするところのある、
憎めないけれど困ったひとなのです。

お産後は、お母さんの世話になりました。
お母さんは、うっかり赤ちゃんの紙おむつを洗濯して
しまうなど、家事を完璧にこなしてきた彼女には
考えられない失敗を繰り返します。

買いものを頼んでも、なかなか帰ってきません。そして、
「あれこれ買ったお蔭で荷物が重くて腕が痛いわ。
私に感謝しなさいよ。」などと悪気はないけれど
相変わらずひとこと多いのでした。

妊娠前の彼女は、泳いだりキルトを縫ったりと自由に、
そして嫌なことからは目を逸らして生きていけました。
しかし今では、お産が思うようにならなかったばかりか、
身近なひとさえあまり頼りにならないと感じられます。

或る日、思い切ってお母さんに不満を言うと、
逆切れして帰ってしまったことがありました。
そのとき彼女が頼りにできるのは、母親しか
居ないというのに。

夕方、彼女は泣き止まない赤ちゃんとふたりで
過ごしました。
夫は22時を過ぎても帰ってきません。

そうこうしているうちに、彼女は本格的にうつ状態に
なっていきました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

上に書いたような夫や母親の性格や行動は、普段なら
まったくしようがないひとだよね~ と笑い飛ばすことが 
できると思います。

しかしお産後は、特に彼女のように帝王切開のうえ
未熟児の場合は、赤ちゃん暮らしが軌道に乗るまでに
大変時間がかかるので、もしも選ぶことが叶うならば
優秀な人材が必要だったのだと思います。

お産後の女性は、疲労や筋力の衰えにより、思うように
からだが動かせないなか、精神活動が盛んな状態が
続きがちです。

彼女の場合は、

本人や家族の気づきが遅れたこと そして

当初の薬の量を守らなかったこと
(詳しくは 産後うつの彼女 その2 をお読みください)

このふたつが症状を悪化させてしまったようです。
しかし、誰をも責めることはできません。

確かにお産直後の彼女は、よい人材に恵まれませんでした。
しかし、ひとは常に進化します。
彼女自身も、彼も、お母さんも、そして赤ちゃんも
日々成長していきます。

また、それぞれの関係性も常に変化していきます。
もちろん、自分自身との関係性も。

うつのピークの渦中、彼女は私にこういいました。

私たちの結婚は間違いでした。
望んで赤ちゃんを授かったけれど、彼も私も
親になるには幼すぎたみたい。
子どもなんか産むべきじゃなかった。

そのとき私は、

今は信じられないかもしれないけど
明けない夜はないんだよ 

というような、ありふれた台詞を返したのだと思います。

しかし、先の見えない彼女にとっては、
空しく響いたに違いありません。

一番最近会ったときの彼女の、赤ちゃんを
見る目はとても穏やかでした。
このまま順調に回復してください
と願わずにはいられません。

                    (つづきます)

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産後うつの彼女 その2

昨日のつづきです。

彼女が当初通っていたクリニックは比較的近所に
ありました。そこは知人の紹介だったのですが、担当の
お医者さまとのやりとりがいまいちピンときませんでした。

うつの状態では、ただ外出して定時にひとに会う
ということに相当な心労を伴います。
彼女は処される薬の量の多さや毎週の通院を苦痛に感じ、
薬の量を減らしたい、隔週で通いたい旨を医師に告げ、
そのような運びになりました。

しかし、症状は一向によくなりません。
彼女の母親は悩み奔走し、これはと感じるお医者さまを
探し当てました。

そのお医者さまの病院は遠いので、当初彼女は首を縦に
振りませんでした。そこで私もつきあうから、と
半ば強引な形でぞろぞろとタクシーに乗り込んで
行くことにしました。

新しいお医者さまは、今の薬の量では改善しないし、
まずは毎週通わないとよくならないよ 
とはっきりと
仰いました。
彼女はやはりなかなか承知しませんでしたが、
とりあえず次の予約を入れて帰ることにしました。

この頃が、うつ症のピークでした。
彼女の伴侶は、この病院通いに反対でしたし、
彼女自身も通いきれるかどうか自信がありませんでした。
しかし彼の身心も限界だったのでしょう。
或る日突然、3ヶ月の休職を決めたのです。

その後は、毎週赤ちゃんを連れて夫婦で通院しました。
彼女の疲労を少しでも和らげるように、比較的空いている
下りの電車を使ったり、ホームにエレベーターの在る駅を
選んだりしながらなので一日仕事でしたが、
毎週出かけました。

彼女は、そのお医者さまの前では、彼には面と向かって
言いにくいこともすんなりと話すことができたようです。
それからは目に見えるように快方に向かい、毎週通院
しなくてもよいことになりました。─

一度だけですが、3人につきあって病院へ行ったこと
があります。
診察の間、私は待合室で赤ちゃんにミルクをあげたり
遊んだりしながら過ごしました。

かえりみち電車に揺られながら、おとな3人で他愛のない
話をしていました。そのとき彼は、

たまにはひとりショットバーで飲んだりしてみたい。

と言いました。

そうだよね、たまにはひとりでぼんやりしたり
ストレス解消も必要だよね、なんて相槌をうつと、
今度は彼女が、

今の私にはストレス解消も趣味も、なにもない。

というようなことを言いました。

彼女の趣味はキルトを縫うことと水泳でした。
水泳は幼い頃から続けていましたし、キルトの腕は
プロ並です。しかし産後に腱鞘炎になり、うつにもなり、
針を持つ体力も気力もなかったのでした。

私たちの傍らで、赤ちゃんはすやすやと眠っています。

(つづく)

  20080314191104              

   昨晩はバレンタインにいただいた
    ハート型のパスタで具だくさんの
    スープを作りましたshine

    ピンクのギンガムのマットはちょっと
    きもち悪かったかもね。

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産後うつの彼女 その1

わんばんこ。どんげでございます。

更新は滞っていますが元気にしております。
父母会のあれこれや、二子の卒園式でのダンスの自主練
(黄色いポンポンを持ってやります。センスなし! 
がんばります)確定申告の作業やその他、ちまちまと
すすめております。

そんな訳で味噌作りも愛猫洗いもできていませんが、
きょうはご縁のあった産後うつの彼女について書きます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そのひとはずいぶん元気になりました。
とはいっても、一週おきに家族3人で連れ立って
クリニックへ通っています。

しばらくの間恐怖心から外出もままならないほどでしたが、
最近は近所へひとりで出かけたり、赤ちゃんとふたりで
電車に乗ったりできるようになりつつあります。

彼女の産後うつ症に最初に気づいたのがわたしでした。
その後彼女の母親が動き出し、地元の保健婦さんと
つながったり、素晴らしい心療内科のお医者さまとの
出会いがありました。

しかし、伴侶はなかなか認めませんでした。
彼女はもともと少し神経質で完璧主義なところがあり、
(うつのせいで身心が思うように動かなくても)赤ちゃんの
お世話や家事には手を抜かなかったので、理解しにく
かったのかもしれません。

彼のしごとはとてもハードで、もう何年も毎日残業続きでした。
そして家に帰って食事をとった後も、ひとりで何時間も
パソコンの前に座っていたといいます。

彼女は専業主婦でひとりの時間が長いので、毎週ジムへ
行ったりキルトの教室へ通ったり、のんびりとマイペースに
過ごしていました。もちろん家事は完璧でした。

そのうち何年も何年も夢に描いていた妊娠生活がやって
きました。

そして出産。
赤ちゃんが未熟児だったこと、帝王切開だったこと。
お産が思うように行かず落ち込みましたが母乳で育てよう、
赤ちゃんが早く大きくなりますように、と朝から晩まで
必死でがんばりました。

赤ちゃんが成長しつかまり立ちを始めると、彼は彼なりに
環境を整えようと、新しい家具を選びに頻繁に外へでかける
ようになりました。
(買いものが目的ですが、夫婦で家に居ると息が詰まる
というのが本音だったのかもしれません。)

しかし彼女は身心が不安定で不安だったので、休みの日
ぐらい家に居て協力してほしいと感じていました。

この辺からふたりのギアがどんどんずれていきます。
いいえ、最初からずれていたのですが、お互いにマイペースに
やってきたため暮らしは成り立っていたのでしょう。

赤ちゃんがやってきたことで、当然ふたりの関係性は
変わってゆくものです。
彼がよかれと思ってやることは、すべて彼女の気に障る
ようでした。

彼女がうつで家に閉じこもるようになると、彼は
「ほかの母親にできていることがなぜあなたには
できないの?」と、責めたり怒鳴ったりするように
なりました。

信頼できる心療内科が少々遠方にあり、車代がかかることも
彼の気に入りませんでした。

しかしとうとう或る日、彼自身も仕事の多忙さと妻の不調の
板ばさみにあって限界を感じたのでしょう。

会社に残業を減らすことや部署の移動を申請しましたが
叶わなかったので、思い切って3ヶ月育児休暇をとることに
したのです。

(つづく)

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産後うつの彼女についてのプロローグ

近所のカフェにある万華鏡を覗いてみました・・・おおっ!

推定30名の読者の皆さま、
おはよう こんにちは こんばんは おやすみなさい
どんげです。

以前、身近なひとの産後うつ症 について
ここに書きかけたことがあったのだけど、あの話には
続きがあるのだけど、なんとなく書けずにいました。

今までクラスなどで出会った産後女子たちのエピソードは、
実名は明かさずに折々書いてきました。
嬉しいこと、楽しいことは書きやすいし
貴女のこと書かせてね、と言いやすいのだけど、
そうじゃないことは個人的なことだけに書きにくい。

ましてや、身近なひとほど自分の感情が反映されるため
書きにくい、そんな訳で筆を止めておりました。

でも、辛い話ほどドラマが、背景があるもので、
本当は本人が書けばよいのだけれど (同じ苦しみを
味わっているひとが大勢いるからね)それが叶わない場合
やはり自分が書くしかないのかな、と思い始めています。

事実のエッセンスを拾って、多少脚色して書いてみよう、
と考えています。

妊娠・出産は授かりもの。
大抵は赤ちゃん可愛いね ご安産だね と通り過ぎて
しまうものだけれど、中にはそうじやないひとも確かにいて、
それをきっかけに伴侶と離れたり、家を出たりするひともいる。
でも、それは決して悲劇ではなくて、
必然だと感じるものばかりです。

これから書こうとしている彼女は、
当時よりはずっと穏やかに過ごしています。
でも、これからのことは正直自分にはわからない。
わからないけれど、手探りで書いてみようと思うので
どうぞお見守りください。

いやしかし、ほんと、お金にも薬にもならないことばかり
している自分ってなんなのでしょう。
自分でもよくわかりません。

わからないから、わからないなりに進んでみます。

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